矢口税理士事務所
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年末調整と150万円の壁について

国税庁より、今年の年末調整の仕方というサイトが発表されました。

参考として、URLをのせておきます。

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2017/01.htm

 

仕事柄、年末調整は毎年やっているのですが、もうそんな時期なんだって感じます。時間のたつのは早いものですね。

10月になると、個人で生命保険に加入していれば、そろそろ保険会社から証明書が送られてきます。

勤務先に提出しないといけませんので、なくさないように保管しておいてください。

目次

平成29年分の年末調整の注意事項

今年の年末調整については昨年とほとんど変わっていません。

変更されているのは給与収入が1,000万円超の場合です。

給与収入から差し引ける控除額が220万円となります。

国税庁による民間給与実態調査によると、年収1,000万円超の方は全体の約3~4%のようです。

ということは、大半の方は関係ないということになりますが、年収1,000万円超という高収入の方はひそかに増税されています。

来年(平成30年)には大きな改正がある

年末調整における今年の改正はほとんどありませんでした。

しかし、来年には大きな改正が待っています。

それは、「配偶者控除」や「配偶者特別控除」の改正です。

内容を簡単にまとめますと、

①給与収入が150万円までは配偶者特別控除の対象に

②合計所得金額が1,000万円超の場合は配偶者控除の対象外

③合計所得金額が900万円超の場合は配偶者控除等は段階的に減額されてやがてゼロ

となります。

①は減税の方向ですが、②③は増税の方向になります。

103万円の壁から150万円の壁へ

「103万円の壁」という言葉を聞いたことはありますか?

おそらく一度くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

扶養の範囲内で働ける給与収入の上限が103万円というお話です。

来年からは、その上限が150万円まで引き上げられます。

言い換えますと、パート勤務している配偶者(仮に、妻)は年間150万円まで給料をもらっても、納税者(夫)の扶養から外れない、ということです。

扶養から外れないので、夫の税額は今までどおりとなります(ただし、夫自身の所得制限が設けられました)

ということは、基本的には世帯の収入は増えるはずです。

これまで103万円を超えないよう、ぎりぎりで働いていた方は、150万円までは働けるようになるでしょう。

 

しかし、実をいいますと、ここには大きな壁が立ちはだかっています。

大きな壁とは、社会保険の加入問題です。

収入が130万円を超えると、配偶者自身で社会保険に加入して保険料を払わないといけなくなります。

そうなると、世帯の手取り額が減ってしまう可能性があります。

特に、130万円~150万円あたりで働いている人にとっては逆転現象が起こり得ます。

 

回避策としては、

①今まで通り、103万円~130万円に抑えておく

②気にせず、160万円以上で働く(前提条件によって金額は変わりますが)

などが考えられます。

 

来年の話ではありますが、今から来年の働き方を考えておく必要はあるかもしれません。

まだまだ議論がある部分ですので、今後の税制改正でもっと抜本的な見直しが行われるでしょう。

 

 

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