矢口税理士事務所
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税金の還付を受けるなら申告は1月1日から可能

確定申告の義務がなくても、税金の還付を受けるために申告することはできます。

むしろ、ちゃんと申告をして税金の還付を受けましょう。

 

 

目次

還付申告とは

確定申告書を提出する義務のない人でも、給与等から差し引かれた所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることで、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます。

この申告を還付申告といいます。

 

余談ですが、還付申告の説明では、「~還付を受けることができます」という表現が使われています。

「~しなければならない」ではなく、「~できる」という表現になっているのは、不思議だと思いませんか。

税金を納める場合は義務、税金が還付される場合はあくまでも納税者の自由意思を意図しているものと考えられます。

申告をしてないと税務署はとやかく言ってきますが、税金が戻る場合は税務署からは一切言ってきませんので。。。念のため。

 

還付申告の期限

還付申告の期限は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。

なお、確定申告期間は、毎年2月16日~3月15日までです。

 

還付申告の具体例

給与所得者の方は、次のような場合に、原則として還付申告をすることができます。

 

①年の中途で退職し、その後年末までどこにも就職しておらず、差し引かれた源泉所得税が納め過ぎになっている場合

⇒年末調整を受けていないため、概算で徴収された源泉所得税が精算されていない状態にあります。

該当する方は、確定申告をすることで、税金を還付してもらえます。

なお、申告には源泉徴収票が必要なので、退職した勤務先から発行してもらいましょう。

 

②一定の要件のマイホームを取得して、住宅ローンがある場合

⇒住宅ローン等を利用してマイホームの新築、取得又は増改築等(以下「取得等」といいます。)をした場合で、一定の要件を満たすときは、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除する「住宅借入金等特別控除」又は「特定増改築等住宅借入金等特別控除」の適用を受けることができます。

なお、2年目以降は年末調整によって控除を受けることができます。

 

詳細は、

マイホームの取得等と所得税の税額控除(国税庁HP)

 

③災害、盗難、横領等により損害を受けた場合

⇒雑損控除の適用を受けることで所得から一定額を控除してもらえます。

 

詳細は、

こちらのブログ記事へ

 

④特定支出控除の適用を受ける場合

⇒給与所得者が一定の支出(通勤費、転居費、資格取得費等)をした場合に所得から控除できる制度です。

勤務先から一定の証明書を発行してもらう必要があります。

ちなみに、現在この制度を利用している人は非常に少ないと言われています。

 

詳細は、

給与所得者の特定支出控除(国税庁HP)

 

⑤多額の医療費を支出した場合

⇒医療費控除の適用を受けることで所得から一定額を控除してもらえます。

原則として、医療費控除は、支払った医療費が年間10万円を超えていないと受けられません。

自分だけでなく、配偶者や生計を一にしている親族の医療費も含められます。

 

詳細は、

医療費を支払ったとき(国税庁HP)

 

注意点

過去の申告についても税金の還付を受けることが可能ですが、確定申告の有無によって手続きや期限が異なります。

以下、ご確認ください。

なお、本日(H29.12.28)時点でのお話を前提としています。

 

過去に確定申告を行っている場合

過去に確定申告を行っていて、税金の還付を受けようとする場合は「更正の請求」という手続きになります。

税務署長に一定の書類を提出する必要があり、ちょっと面倒くさいです。

 

更正の請求ができる期間は、法定申告期限から5年以内です。

現時点で還付を受けられるのは、平成24年分以降です。平成23年分以前は手遅れです。

平成24年分は平成25年3月15日が申告期限となるので、平成30年3月15日まで大丈夫です。

 

確定申告を行ったことがない場合

確定申告していない場合は、確定申告(還付申告)を行って税金の還付を受けます。

前述のように、還付申告はその年の翌年1月1日から5年間提出することができます。

 

現時点で還付を受けられるのは、平成25年分以降です。平成24年分以前は手遅れです。

なお、平成24年分は平成25年1月1日から5年以内なので、ぎりぎりですが、今年の大みそか(平成29年12月31日)までに行えば間に合います。

 

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