目指すべき方向性とは?年収1000万円と年商1000万円
「配偶者に求める理想的な給料は?」というようなインタビュー記事が掲載されることがよくあります。
【こんな人と結婚したいランキング】みたいな上位には、だいたいいつも「年収1000万円以上のサラリーマン」って入ってますよね。
年収1000万円というと高収入の代名詞でもあります。
周りの友人に「いくらもらってるの?」なんてなかなか聞けませんが、実態はどのくらいいるのでしょうか。
国税庁の調査では全体の約4%といわれています。
約25人に1人ということなので、想像以上に多い気がします。
私は個人事業主として独立しています。
年商を上げないといけないのですが、売上至上主義ではいけません。
「手取り額」を意識したビジネスの方向性が重要でしょう。
年収や年商の違い、税金の話なんかも織り込みながら説明していきたいと思います。
目次
年収と年商の違い
まずは、「年収」と「年商」の違いを見ていきましょう。
年収とは1年間の収入のことです。
一方、年商とは1年間の売上のことです。
年商の方は、何となくイメージが付きやすいのではないでしょうか。
年商=売上
つまり、商売を行っている人向けの用語ですね。
個人事業主やフリーランスだけでなく、会社に対しても使われます。
年収の方はどうでしょうか。
給与をもらっている人、いわゆる「給与所得者」に対して使われる用語ですね。
給与収入という意味で考えてもらえればよいです。
いわゆる「額面ベース」になりますので、税金や社会保険を引く前の金額ということです。
まとめると、
年商1000万円ということは、1年間の売上が1000万円。
年収1000万円ということは、1年間の給与の額面金額が1000万円。
ということになります。
売上がまるまる入ってくるわけではない
事業をされている方なら当然といえば当然でしょうが、年商1000万円あるからといって、全額自分の懐に入るわけではありませんよね。
事業をやっていく、継続していくためには、色んなお金(経費)がかかります。
売上から経費を差し引いた残りが利益となり、自分の懐に入ります。
いいえ、実際はそうではありませんよね。
税金や社会保険料が引かれるので、手取り額はさらに少なくなります。
(年商)売上ー経費ー税金・社会保険料等=手取り額
給与もまるまる入ってくるわけではない
給与についても同じです。
年収として1000万円あるからといって、まるまる自分の懐に入るわけではありません。
毎月の給与から税金や社会保険料等が天引きされ、残りの金額が自分の口座に振り込まれます。
所得税法上、給与所得者には原則として「経費」は認められていません。
厳密にいえば、下記の「特定支出控除の特例」というのがあるのですが、ここでは割愛します。
では、給与所得者には経費として引けるものがないかというと、そうではありません。
「給与所得控除」という制度があります。
給与所得者にのみ認められている概算経費みたいなものです。
給与収入金額に応じて、全国一律に定められています。
以下、国税庁HPより出典
平成29年分
給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)給与所得控除額 1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円1,800,000円超 3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円 3,600,000円超 6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円 6,600,000円超 10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円 10,000,000円超 2,200,000円(上限)
余談になりますが、最近の税制改正により、給与所得控除額の上限が220万円と下がりました。
以前は上限がありませんでしたので、年収5000万円でも1億円でも青天井に認められていました。
まさに高額所得者への増税ですね。
したがって、給与所得者の手取り額は以下のようになります。
年収ー給与所得控除額ー税金・社会保険料等=手取り額
年商1000万円を低コストで稼げるかどうか
数字だけを見ると、年商1000万円は多い気がしますが、実際には経費もかかります。
事務所を借りて、人も雇う必要があるなら、相当お金がかかるので、ほとんど手元には残らないかもしれません。
AとB、どちらがいいですか?
A:年商1000万円で経費が700万円、残りは300万円
B:年商700万円で経費が100万円、残りは600万円
差は歴然ですね。
もちろん、2倍も手取り額が多いBの方です。
これだけ理由がついたのは、経費の掛かり方が全く違うということです。
Aは、自分だけでは仕事が回らないので人を雇っているのでしょうか。
商品の仕入やら事務所家賃やらが発生しているのかもしれません。
Bは、自分だけでビジネスをやっているのかもしれません。
ものすごい利益率です。
経費がほとんど掛からない、コンサルタント業のような業種なのかもしれません。
目指すべきはBのようなビジネスです。
もちろん、業種や環境等によってできる場合とできない場合はあると思います。
税理士のようなビジネスだと、仕入も要らないし、無理やり人を雇う必要もないので、比較的達成しやすいかもしれませんが。。。
いかに低コストで効率よく稼げるかがビジネスには必要です。