税理士業界はAIの波と超高齢化していることに改めて気付かされた一日
本日、税理士向けの実務セミナーに参加してきました。
久しぶりに一日がかりのセミナーです。
「ああ、周りの税理士って自分より年上ばっかりだなあ」
税理士会の研修に行くと、いつもこう思います。
と同時に、「この業界、超高齢化しているけど、この先大丈夫かいな?」って感じました。
自分は、あと何年税理士をやるか分からないですが、業界に危機感を持つことは大事です。
ずっと変わらないなんていたら、きっと時代に取り残されるでしょう。
目次
高齢化は今に始まったことではない
税理士業界はとにかく平均年齢が高いです。
世間一般からすると、意外にも知らない人が多いです。
きちんと調べていないので正確には分かりませんが、おそらく平均年齢は60才~65才くらいではないでしょうか。
私の両親とほぼ同世代です。
同業者が自分の親と同じ世代というのは、何となく不思議ですね。
あくまでも平均なんで、もっと高齢の方もいますし、私よりも若い人はいます。
上は90才くらいで、下は20才前半くらいでしょうか。
税理士業界の高齢化は今に始まったことではありません。
いわゆる国税OBという税務署等を退職された方のほとんどが、退官後に税理士に登録されるので、どうしても年齢は高くなります。
もちろん、税理士試験を目指している若い学生もいます(私もそうでした。)。
私が試験に合格したのは25才で、税理士登録したのは28才の時でした。
当時、20代の税理士はおそらく全国に1%もいなかったと記憶しています。
ある意味では、すごく特殊な業界ということになりますね。
30代というと、一般企業では管理職に就いていて、部下もある程度従えて、という年齢ではないでしょうか。
以前、大学時代の友人たちから聞いた話ですが。
しかし、税理士業界では30代なんてまだまだ若手の部類です。
頑張っていかねば、と改めて実感しました。
時代に取り残されそうな恐怖感
今さら申すまでもなく、高齢化の波は税理士業界だけでなく、日本全体に押し寄せています。
高齢化を飛び越えて、あと十年もすれば、4人に1人が65才以上の高齢者という超高齢化になるといわれています。
そんな中で、いかに時代に適応していくかは非常に重要な課題です。
しかも、昔とは比較にならないくらい猛スピードで時代は進んでいます。
IT化の波ですね。
自分は何かすごい恐怖さえ感じます。
個人的には、遅れまいといろんなメディアを通じて、日々情報を取り入れてるつもりです。
しかし、もう今の10代20代の人からは、だいぶかけ離されているんでしょうね。
ITリテラシーは若い方が絶対いいに決まっていますし。
常に誰かが、新しいビジネスの種をまいて芽を出し、掘り起こして、すぐにお金に替えていく。
すごいことなんですが、そのサイクルがあまりにも早すぎる!
東京に住んでいたときに一番感じたことの一つです。
まさに生き馬の目を抜くよう、という喩が当てはまります。
これからの税理士業界
さて、我が税理士業界ではどうなの?
自分のような若造がいうのもなんですが、かなり遅れています。
少なくともITには疎いですね。
「税理士や会計士は、AIやらクラウド会計やらで今後大変になるよ」っていう記事が最近多いです。
毎日のように、テレビ、新聞、雑誌でにぎやかに報じられています。
でも、「周りがすごく騒いでいるだけで、当の本人達はそうでもないぞ」っていうのが個人的な感想です。。。
なんとなく、そんな感じがします。
まあ人によって違うんでしょうけどね。
本当に大変だ、って思って必死にやっている人もたくさんいるでしょうし、私みたいな若い税理士たちは、すごく危機感を持っています。
自分も今後何年やり続けるかは分かりませんが、税理士業界にも確実に時代の波が押し寄せてきています。
規制緩和によって、この業界を虎視眈々と狙っているビジネスのツワモノたちはいます。
いや、絶対にいます。
「スマホですべて完璧に確定申告できてしまったら、税理士はどんな立ち位置になるのだろう??」
「AIによって、過去のすべての税務判例を学習されてしまったら、我々は一体どうなるんだろう??」
「税理士飽和といわれているけれど、将来的には税理士不足になる可能性はないのかな??」
等々という危機感を持っています。
クラウド会計が発達して、面倒な記帳代行がなくなっていくのは個人的には歓迎です。
記帳代行はあくまでも作業領域なので。
本当の税理士業務とは何か?
私自身が考えていることなので、もちろん正解でもありませんし、もっと違う答えの人もいるとは思います。
私の考えている税理士業務とは、
「お客様のために個々の事情を総合的に勘案して、オーダーメイドで税務的にコーディネートしてあげること」
と同時に
「お客様に本当に喜んでいただくこと」
と考えています。
しかし、AIによって、もしそこの領域が侵されるとなると、税理士業務の大変革が起きていくでしょう。
そんな波にのまれて沈んでしまわないように、一人の税理士として、お客様にこれから何ができるのか見つけていきます。