平成30年分から変わります 源泉徴収の扶養親族等の数の数え方
平成29年度税制改正により配偶者控除及び配偶者特別控除について大幅に見直しがされました。
配偶者については3種類に区分分けされ、意味合いがちょっとややこしくなりました。
これらの改正に合わせて、毎月の給料計算で使う「扶養親族等の数の数え方」にも影響が出てきます。
扶養親族等の数の数え方の再確認と改正点について見ていきます。
目次
おさらい~扶養親族等の数の数え方~
毎月の給料計算で使うもの
改正点を確認する前に、扶養親族等の数の数え方についておさらいしておきましょう。
既に知っている方は読み飛ばしていただいて構いません。
毎月の給料計算で給料から天引き(源泉徴収)する際に使うので、正しい理解が必要ですね。
(出典:国税庁HP「平成29年分源泉徴収税額表」)
でもちょっとしたコツさえつかめれば、そんなにややこしくありません。
ステップ①~③までで手順を確認しましょう。
ステップ①
「扶養親族等の数」とは、次の(1)と(2)の合計数をいいます。
(1)控除対象配偶者(老人控除対象配偶者を含む)
(2)控除対象扶養親族(老人扶養親族と特定扶養親族を含む)
扶養親族の中に、年齢16才未満(平成29年分の場合、平成14年1月1日以前に生まれた人)の人がいれば、1名につき1を引きます。
例えば、奥さんと扶養している子供が2名(16才以上1名、16才未満1名)なら、扶養親族等の数は
1+2-1=2(子供1名が16才未満なので1を引く)
となります。
また、奥さんと扶養している子供が1名(16才未満)、両親なら、扶養親族等の数は
1+1-1+2=3(子供1名が16才未満なので1を引く)
となります。
ステップ②
また、本人が次の(1)~(4)に該当すれば、その一に該当するごとに上記ステップ①に1を追加します。
(1)障害者(特別障害者を含む)
(2)寡婦(特別の寡婦を含む)
(3)寡夫
(4)勤労学生
ここは、給料を受け取る本人の話です。
本人が障害者や寡婦(寡夫)、勤労学生に該当すれば、扶養親族等の数に該当するごとに1を加えます。
ステップ③
さらに、本人の控除対象配偶者や扶養親族(年齢16才未満の人も含む)のうちに次の(1)~(2)に該当する人がいれば、これらの一に該当するごとに上記ステップ①に1を追加します。
(1)障害者(特別障害者を含む)
(2)同居特別障害者
ここは、配偶者や扶養している子供や親族の話です。
障害者や同居特別障害者に該当すれば、扶養親族等の数にそれぞれ1を加えます。
同居特別障害者とは、特別障害者である扶養親族のうち、本人などと一緒に同居している人をいいます。
同居特別障害者の場合、(1)障害者にも該当するので1、(2)同居特別障害者として1、合わせて2を加えることになります。
注意点
障害者の数を計算する際は、扶養親族の年齢は問いません。
したがって、年齢16才未満の扶養親族であっても該当しますので注意しましょう。
国税庁HPに、さらに詳しく載っていますので、興味のある方はこちらもご覧ください。
平成30年分の改正点
今までとこれから
前述のように、配偶者控除等の改正によって配偶者における扶養親族等の数の数え方に影響がでてきます。
平成29年分までは、配偶者が「控除対象配偶者」に該当する場合に1と算定しました。
改正後、つまり平成30年分以降は配偶者が「源泉控除対象配偶者」に該当する場合に限り、1と算定します。
本人の給与年収1,120万円以下かつ配偶者の給与年収150万円以下
源泉控除対象配偶者とは、給与収入のみに限定して説明すると、
・給与所得者本人の年収1,120万円以下で、
・配偶者の年収150万円以下
に該当する場合の配偶者のことをいいます。
したがいまして、本人の年収が1,120万円を超えたり、配偶者の年収が150万円を超える場合は扶養親族等の数に算定しません。
源泉控除対象配偶者については、別のブログ記事でも掲載していますので、そちらもご覧ください。
なお、年収はあくまでも見積額ベースです。
年の途中で状況が変われば、扶養親族等の数にも影響がでることになります。