会社を設立するなら決算月をいつにするか
法人を設立する際、事前に決めておかないといけないことがいくつかあります。
その中の一つが「決算月(決算期)」です。
実は、決算月をいつにするかによって、お金のやりくりも変わってきます。
目次
決算月はいつでもOK
3月決算が一番多い
意外と知られていないのが、「法人の決算月はいつでもよい」ということです。
法人の設立相談を受けていると、「えっ、決算月って自分で決められるんだ!」とびっくりされることがよくありました。
日本の企業慣習として、3月決算が一番多いです。
そのためなのか、3月じゃないとダメと思っていた方もいらっしゃるようです。
今まで何人も勘違いされている方にお会いしました。
ご安心ください。
法人の場合はいつでもOKです!
決算は必ず年1回以上行う
ただし、決算は必ず1年に1回は行わないといけません。
例えば、こういうことです。
設立2017年11月1日設立、決算2018年9月30日⇒〇
設立2017年11月1日設立、決算2018年11月30日⇒×(1年を超えているのでダメ)
必ずしも末日にする必要なし
また、決算は月の末日にしないといけない、ということもありません。
なので、11月20日決算、2月15日決算とか5月25日決算とかでも全く問題ないです。
中には、決算を売上等の締め日に合わせているという会社もあります。
珍しいと言えば珍しいですが、私もこれまで関与させていただいたことはあります。
ちなみに、個人の場合は、暦年つまり1月1日~12月31日と決められています。
決算月は資金繰りを考えて決める
法人の申告期限は決算末日の翌日から2カ月以内です。
申告と納付が同じタイミングにくるので、資金的に余裕がないと税金を支払うのが苦しくなりますよね。
例えば、小売業は「2月8月はモノが売れない」と言われています。
もし、6月に決算を迎えるとなると、2カ月後の売上が少ない8月に税金を納めることになります。
また、夏季賞与等の人件費を出す会社でしたら、ますます資金繰り的に負担が大きくなりそうです。
もし私が税理士としてアドバイスさせていただくとすると、「売上が比較的少ない2月や8月を決算月にしましょう」とお伝えします。
8月なら納税月が10月になります。
これなら資金的に余裕ができるでしょう。
さらに、売上が少ない月を決算月とすることは節税にもつながりやすいです。
売上が少ない月に決算を持っていっておけば、利益もさほど変動しにくいでしょう。
もし、売上が大きく変動する月を決算にしてしまうと、利益が大きく変わる可能性があります。
そのため、決算ギリギリで節税しようと思っても、時間切れとなってしまうことが考えられます。
決算月の決め方とポイント
最後に、決算月の大まかな決め方とそのポイントをご紹介します。
是非、参考にしていただければ幸いです。
- 決算月から2カ月後に納税資金が確保しやすい月
- 売上の変動が少ない月
- 法人設立月の前月(原則として、資本金1,000万円未満で設立すれば、消費税の免税期間が最大2年延ばせます)
- 在庫が少ない月(在庫が多いと利益が増えます)
- あまり忙しくない月(繁忙期は避けましょう)
- 10月決算だと、申告期限が年末年始明けになるので他の月より延びます
くれぐれも、3月決算が一番多いから、というような安易な理由で決めないようにしましょう。