中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)
目次
目的は「連鎖倒産を防止する」こと
取引先が倒産し売掛金債権等が回収困難になった場合に、貸付が受けられる共済制度です。
「万が一」のための資金調達手段として、当面の資金繰りをバックアップしてくれます。
しかし、実務で利用される際は節税対策として、という目的が多いように見受けられます。
この制度のメリットは支払った掛金が全額経費になることです。
決算前の対策の一つとして、当期思ったより利益が出ている時に使われるケースです。
毎月の掛金は、5千円~20万円の範囲内(5千円単位)で自由に選べます。
創業したばかりだと加入できない
加入要件があり、定められた業種・資本金等の額・従業員数に該当して、引き続き1年以上事業を行っている方です。
「1年以上事業を行っている」という要件が重要です。
もし、1年未満ですと今期は加入できないですので、他の決算対策を考えないといけません。
中小企業倒産防止共済の前納
決算までに手続きをして掛金を払い込むと、翌年分に対応する金額も当期に経費計上することができます。
ただし、決算を過ぎてしまうと当期の経費には計上できません。
「中小企業倒産防止共済の前納」と言います。
例えば、決算が6月の場合、月額20万円で1年分の前納で加入すると240万円全額が経費として計上できるため、決算対策にもかなり利用されています。
前納制度の注意点
前納制度には注意点があります。
まずは、手続きを前月末までに終えておく必要があります。
正確には、払い込みを希望する月の5日(土曜・日曜・祝日の場合は翌営業日)までに中小機構が受理できるよう、登録取扱機関に提出する必要があります。
書類の不備等、不測の事態を考慮して、実際には払い込みする月の前月までに手続きを終えておきます。
ちなみに、申込書類は中小機構に問い合わせると郵送してもらえます。
参考にURLを記載しておきます。
http://www.smrj.go.jp/tkyosai/qa/nofu/000109.html
また、前納制度を利用するには毎年申請が必要です。
何もしなければ、自動的に月払いになります。
前の例ですと、1年目に240万円経費に計上できたのに、2年目には20万円しか計上できないことになります。
240万円―20万円=220万円
利益で220万円も変わりますので、納税額だと税率30%として66万円変わってしまいます。
中小機構からは事前にお知らせの葉書が届くようになっていますので、前納を希望する場合には、忘れずに手続きを行いましょう。