矢口税理士事務所
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年収1千万円 税金たくさん取られるって聞くけど実際どうなの?

年収1,000万円以上になると税金が高くなるとよく言われています。

所得の半分くらい税金がかかるというイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

でも、本当にそうなのでしょうか。

実際どのくらい負担しているか、ちょっとシミュレーションしてみました。

 

 

目次

今年の税制改正どうなるの?

法人へは減税、個人には増税という傾向にある現状の税制。

毎年、この時期になると税制改正の議論が本格化しています。

 

自民党税制調査会でも多様な働き方を後押しするために「所得税改革、3年で」と発表しています。

(日本経済新聞11/10朝刊より)

事業承継なんかも相続税等の納税猶予を10年間とするなど、政府も相当に力を入れていくみたいです。

個人に対する課税について、今後の動向に注目していかないといけませんね。

 

意外と負担は軽い

さて、本題。

普段、社長とお話する機会があるのですが、その際必ず話題にあがることの一つとして「役員報酬」があります。

どの程度もらったらよいか、とか他の人はどのくらいもらっているか、よく聞かれます。

 

そのように聞かれるときに私が答えるのは、「まずは自分が欲しい金額を取りましょう。」です。

一方で、今の金額に満足していない大半の方は、役員報酬を増額すると、さらに個人の税金が増えると思ってらっしゃいます。

増額するのを躊躇されているのです。

年収600~700万円くらいの方が1,000万円へ又はそれ以上にしようとしても、負担が大きくなりすぎるのではないか、ということです。

 

実際、所得控除等の条件によって変わりますので、一概には言えませんが、思っているよりも、実は負担は軽いということです。

シミュレーションは後述します。

 

オーナー会社だと社長は自分の給料を自由に設定できるため、うまく会社と個人に利益を分散をしていただきたいと思います。

役員報酬の実効税率とは

実効税率というのは、ザックリいうと、

収入に対して税金が占める割合

のことです。

 

役員報酬の実効税率を求める式は次の通りです。

税金÷役員報酬×100=〇〇%

 

実効税率が低いほど、税金の負担は軽いといえます。

それでは、金額別に実効税率がどう変わるのかを見ていきます。

実効税率シミュレーション

前提条件として、社長の年齢は40才未満、東京都で協会けんぽ(健康保険、厚生年金保険)に加入としています。

健康保険等の料率は都道府県ごとの協会けんぽによって異なりますので、ご注意ください。

シミュレーションは平成29年分を前提としていますが、税制改正があり平成30年分以降は配偶者控除等が縮小されることになっています。

 

※あくまでもシミュレーションのため、実際の金額とは異なる可能性もありますので、ご了承ください

 

扶養なし

配偶者等の扶養家族を考慮しない場合です。

 

下の表をご覧ください。

年収1,000万円で税負担は147万円、実際の税率(実効税率)は14.7%になります。

 

年収3,000万円でも税負担は1,032万円、実効税率は34.4%となります。

 

所得の半分くらいが税金だというイメージが事実ではないことがお分かりですよね。

 

 

グラフにしてみました。

 

 

扶養あり

配偶者等の扶養家族を考慮する場合です。

こちらの方がより実態に即しているでしょう。

 

下の表をご覧ください。

扶養なしに比べると、配偶者控除・扶養控除(各38万円)があるため、さらに税負担は軽くなっています。

 

年収1,000万円では税負担はわずか123万円、実効税率は12.3%になります。

 

さすがに、年収1億円ともなると、所得の半分以上が税金となってしまいますね。

 

 

グラフにするとこうなります。

 

 

まとめ

以上、見てきましたように、年収1,000万~2,000万円くらいまではイメージと実際とではかなり違いがあります。

役員報酬を決める際には、ご自身の実効税率を把握した上で、法人とのバランスをうまく考えていきましょう。

 

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