矢口税理士事務所
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個人事業主・会社経営者に絶対オススメ!小規模企業共済制度

小規模企業共済制度とは国の独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、「中小機構」)が運営する経営者のための退職金制度です。

単なる退職金制度ではなく、メリットの大きさゆえ幅広い活用方法があります。

個人事業主や中小企業の経営者には絶対オススメできます。

そんな小規模企業共済制度についてご紹介します。

 

 

 

目次

小規模企業共済とは

小規模企業共済とは、経営者のための退職金制度です。

中小機構のHPの一部を引用します。

小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や会社等の役員が役員を退職した場合など、第一線を退いたときに、それまで積み立ててこられた掛金に応じた共済金をお受け取りになれる共済制度です。

個人事業主が事業を廃止した場合や中小企業の経営者が会社を退職した場合に、積み立てた金額に応じて、共済金を受け取ることができます。

 

退職金制度を整備できない中小会社にとって、いわば「社外の退職金制度」として利用されています。

また、個人事業主にとって、将来事業をやめた後の、いわば「老後の備え」として利用されています。

 

あと、小規模企業共済を語る上で欠かせないのは、税金面でかなり優遇されているということです。

・掛金を支払った時

・共済金を受け取った時

それぞれのステージで節税になるというメリットがあります。

いわゆる「一粒で二度おいしい」制度です。

 

それでは、メリットについて次に詳しく書きたいと思います。

 

(参考)

小規模企業共済制度(中小機構HP)はこちら

 

小規模企業共済のメリット

掛金の全額が所得控除の対象

小規模企業共済の掛金は、月1,000円~70,000円の間で払い込み、年間最大840,000円まで掛けることができます。

その支払った掛金は、税金を計算する上で所得から控除してもらえます。

「小規模企業共済等掛金控除」と言います。

「経費」と同じとイメージすれば理解しやすいです。

 

税金は基本的に、

所得×税率

で計算されますので、所得が大きければ税金も高いですし、所得が少なければ税金も低くなります。

 

小規模企業共済の掛金は支払った金額がまるまる経費になるので、所得や税金もダイレクトに減るというわけです。

 

例えば、所得が600万円で掛金84万円の場合は約25万円の節税となります。

あくまで一例ですがご参考ください。

※厳密には配偶者や扶養の状況等々を考慮する必要があります。

※税金は所得税、復興特別所得税、住民税の合計です。

 

具体的にシミュレーションしてみたいという方はこちらからどうぞ。

加入シミュレーションはこちら

 

支払った金額以上に返ってくる

将来的に今まで支払ってきた金額以上が共済金として返ってきます。

返戻率(支払った金額に対して返ってくる金額がどのくらいの割合か)100%以上という商品は今やあまりないのではないでしょうか。

ただし、デメリットにも書きますが、掛金の納付期間が短いと元本割れする可能性があるので注意が必要です。

共済金を受け取る際にも税金が安い

共済金を一括で受け取る場合、その共済金は所得税法上「退職所得」として扱われます。

「退職所得」は退職後の生活を送りやすくするために、他の所得よりも税金的に非常に優遇されています。

 

具体的には、勤続年数等に応じて一定の控除額が定められています。

先程説明したように、所得から控除できる金額が増えるので、税金も安くなります。

今や預金しても利息はほとんど付かない

将来のために金融機関へ貯金をしていても、今のご時世は低金利の時代なので、ほとんど利息はつきません。

雀の涙ほどです。

しかも、預金してもまったく節税になりませんよね。

金融機関に貯金するくらいなら、小規模企業共済に加入して掛金を支払えば節税になります。

もしもの時にも安心できる「貸付制度」

小規模企業共済には「契約者貸付制度」というものがあります。

支払った掛金の範囲内でお金を借りることができる制度です。

要は、自分で支払ったわけですから、そのお金は自分のものです。

もしも、事業がうまくいかなくて資金繰りが厳しい時には貸付制度を利用できます。

しかも、申込から借入までのスピードが早いのも魅力です。

必要書類さえ整えれば、金融機関から借りるより早いでしょう。

少額からでも無理なく積み立てられる

掛金は月額1,000円~70,000円の間で自由に設定(500円刻み)することができます。

事業を始めたばかりで資金的に余裕がない時期からでも、少額を無理なく積み立てしていけます。

もちろん、増額したい場合でも後からいつでも掛金を変更できます。

 

これまで見てきたように、小規模企業共済は節税しながら現役引退後の生活資金や事業資金の確保に最適な制度と言えます。

小規模企業共済のデメリット

納付期間による元本割れリスク

小規模企業共済は、一定の納付期間を下回ると支払った掛金が全額戻らない可能性があります。

いわゆる「元本割れ」です。

掛金の納付期間が240カ月(20年)未満だと、掛金の全額が戻りません。

 

また、加入後早期に解約するような場合(掛金の納付期間が12ヵ月未満)は、掛け捨てとなります。

 

したがって、最低でも20年以上は支払い続けないと満額もらえない、ということです。

まずは、自分で支払える範囲内でコツコツと積み立てることをオススメします。

何らかの理由で、途中解約する可能性があるなら、元本割れのリスクもしっかり念頭に置いておきましょう。

途中での引出不可

お金を預金口座に入れている場合は、いつでも自由に引き出しできます。(定期等は別ですが。。。)

しかし、小規模企業共済は引き出したいと思っても、解約するしかありません。

中途解約は元本割れしてしまうリスクがあります。

ある意味では20年以上置いておく、という覚悟が必要です。

年金としても受け取れる小規模企業共済

小規模企業共済の受取方法には2種類あります。

「一括受取」と「分割受取」です。

一括受取は前述のように、退職金として1度にすべての共済金を受取ることです。

分割受取とは、1度に受け取るのではなく、年金のように毎年少しずつ分割して受け取ることです。

 

受取方法は、手続きの際に好きな方を自分で選ぶことができます。

共済金を分割で受け取ると、所得税法上「公的年金等の雑所得」扱いになり、「公的年金」と同じ取り扱いとなります。

一括受取の退職金のように、公的年金にも一定の控除額が認められていますので、税金が安くなります。

小規模企業共済の加入手続き

加入資格

誰でも小規模企業共済に加入できるわけではありません。

加入資格は以下のような方です(中小機構のホームページより引用)。

  1. 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員
  2. 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員
  3. 事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
  4. 常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
  5. 常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
  6. 上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

 

※業種により従業員の人数で加入制限があります。

もし、会社が大きくなって従業員が増えれば、加入資格を満たさなくなってしまう可能性があります。

したがって、会社が小規模のうちに、できれば創業時期に加入を検討しておきましょう。

 

なお、平成28年の制度改正でより利用しやすくなりました。

平成28年度制度改正のポイントはこちら

 

加入できない方

逆に、次のいずれかに該当する方は加入できませんのでご注意ください。(中小機構のホームページより引用)

  1. 配偶者等の事業専従者(ただし、共同経営者の要件を満たしていれば共同経営者として加入できます。)
  2. 協同組合、医療法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、社団法人、財団法人、NPO法人(特定非営利活動法人)等の直接営利を目的としない法人の役員等
  3. 兼業で事業を行っているサラリーマン(雇用契約に基づく給与所得者)
  4. 学業を本業とする全日制高校生等
  5. 会社等の役員とみなされる方(相談役、顧問その他実質的な経営者)であっても、商業登記簿謄本に役員登記されていない場合
  6. 生命保険外務員等
  7. 独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する「中小企業退職金共済制度」、「建設業退職金共済制度」、「清酒製造業退職金共済制度」、「林業退職金共済制度」(以下「中退共等」)の被共済者である場合

加入手続き

小規模企業共済に加入するためには一定の手続きが必要です。

申込書類のダウンロードや具体的な手続き方法は中小機構のホームページから確認できますので、ご覧ください。

 

(出典:中小機構HP)

 

加入手続きの流れはこちら

 

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