会社を設立するなら資本金はいくらがよいか
会社を設立する際はさまざまなことに気を付けないといけません。
あまりに身近にあるがゆえに、知られているようで、実は意外に知られていないのが消費税です。
これから会社を設立しようと思っている方、少しの工夫をするだけで節税できる可能性があります。
目次
資本金はいくらがよいか?
この仕事をしていると、経営者の方から会社の設立相談を受けます。
設立相談で最もよく質問されるのが「資本金の金額」をいくらに設定すればよいか、です。
他の部分はさておき、消費税に関してのみ答えるなら「資本金1,000万円未満」にすることをオススメします。
会社は最初の2年間は消費税がかからない…(とよく言われています)
これ、結構知っている方は多いのではないでしょうか。
正解といえば正解なのですが、実際は納税義務があるか否かの判定はめちゃくちゃ複雑です。
この数年での改正で目が回るくらい(?)ややこしくなりましたが…
一般的な場合に限ると、基本的には設立して最初の2年間は消費税の納税義務はないと考えていただいて構いません。
資本金を1,000万円以上で設立した場合、設立時から消費税の納税義務が発生します。
新設法人の特例と言います。
「以上」なので、1,000万円を含みます。
ちょうどきりがよいから1,000万円にした、という経営者の方をお見かけしたことがありました。
もちろん、設立時から消費税の申告義務が発生します。
要は、999万円以下であれば大丈夫です。
会社法ができて、会社は資本金をいくらにしても設立可能となりました。
しかし一方では制約を受ける業種もあります。
例えば、建設業や旅行業は許可を受けるなら資本金や純資産要件があります。
その場合はきちんと調べたうえで資本金を決めないといけません。
要件の制約がないのでしたら、100万円とか300万円とかで個人的にはよいと思います。
したがいまして、会社を設立する際には、ぜひ「資本金1,000万円未満」で設立をご検討くださいね。
もし、資本金1,000万円で設立してしまったら
万が一、すでに資本金を1,000万円以上にしてしまった、という場合があるかもしれません。
「もう手遅れだ…」と思われるかもしれませんが、場合によってはまだ間に合います。
実は、期中で資本金を1,000万円未満に減らせば問題ありません(減資といいます。)
設立1期目と2期目の話に限りますが、資本金の金額要件は期首の時点で判定するからです。
例えば、1期目中に資本金1,000万円を500万円へ減資すれば、2期目は消費税の納税義務はなくなります。
なお、減資をするための会計上の要件もありますので、専門家にご相談いただければと思います。
まとめ
最後に簡単に要点のみまとめておきます。
これから会社を設立する際は資本金の額に注意しましょう。
①資本金はなるべく1,000万円未満で設立する
②すでに資本金を1,000万円以上で設立した場合、減資をして1,000万円未満にする
⇒設立1期目と2期目です。
となります。