申告した後に間違いを見つけた場合「決算書の修正」ってできるの?
法人の申告書を提出した後に、間違いを見つけてしまったことってありませんか?
提出する前に何度も確認しているはずなんですが、ミスは人間である以上してしまいます。
例えば、売上の計上もれ。
税務署には税金が増えるため、この場合は修正申告を行わなければなりません。
さて、では決算書はどうすればいいでしょうか。
損益計算書を修正して、再び提出することになるのでしょうか。
目次
決算書の訂正は原則できない
提出した決算書に間違いや誤りを見つけてしまった場合には、原則として、決算書の訂正はできません。
税金の計算上、確定申告書は「確定した決算」に基づいて提出することになっています。
ちょっと、お堅い言葉で書きますと、
「確定した決算」とは、その事業年度の決算につき株主総会の承認があった決算のことをいいます。
そもそも株主総会といっても本当に開いているの?っていう議論はあります。
日本で約99%を占める中小企業のほとんどが、いわゆる家族で経営している同族会社です。
そんな家族経営の会社で株主総会のような仰々しいこと(?!)はやっていないのかな、と個人的には思います。
もちろん上場会社は定時株主総会を開いています。
開催有無の真偽はちょっと横に置いときまして、決算が終われば、顧問税理士が社長のところに申告書や決算書をもってきますよね。
社長からのオッケーをもらって、税理士は申告書を提出することになります。
この時点で、会社が承認の意思表示をして、めでたく(?!)決算は確定することになります。
したがって、理屈云々より通常の流れを考えてみると、やはりその後決算書の訂正は行うことはできません。
決算内容を訂正できる場合もある
いったん確定した決算を修正したり変更したりすることは認められていません。
しかし、非常にまれですが、場合によっては決算書の訂正を行うこともあります。
それは、行政官庁等による決算の訂正命令がある場合など特別の事由に限っての話です。
中小企業に限っていえば、実務上そんなケースはまず出てこないでしょう。
過去の判例でも、単なる法人の主観的、内部的な事情による決算の修正や変更は認められない、とされています。
税務上の手続き
先程も触れましたが、決算を間違えた場合の税務上の手続きは以下のようになります。
・税金が増える場合…修正申告
・税金が減る場合…更正の請求(現在5年)
もし、間違いに気づいた場合は延滞税等の罰金がかかる可能性もありますので、なるべく早く修正申告を行っておきましょう。