ベンツを買っても本当の節税対策にはならない理由
昔、4年落ちのベンツを買うと節税になるというのが流行ったことがありました。
よく考えてみるとこれってどうなの?と改めて考えてみました。
目次
節税にはお金の出ていくものと出ていかないものがある
節税方法には大きく分けて2種類あります。
①会社からお金がキュッシュアウト(流出)していくもの
②会社からお金がキュッシュアウトしていかないもの
みなさんは、①と②があったらどちらを選びますか?
どちらがよいか、必ずしも一概に言えませんが、できればお金は出ていかない方がいいですよね。
当然ですが、お金が出ていけば、預金通帳の残高は減りますからね。
どちらの方法がよい?
もう少し上の①②を掘り下げます。
税金は減るが、お金も同時に減る⇒①
税金は減るのに、お金は減らない⇒②
ここまで説明すると、②の方がよいと思いませんか?私はそう思います。
お金は手元に残ったままでしかも税金が減る、つまり節税対策になるのです。
長年この仕事をしていると、お客様から節税対策について質問を受けます。
社長「今年は儲かったので、税金が高くなりそう。今から高級車でも買って税金を減らしたいが、どうでしょう?」
私「もし買うなら、もちろん一時的には利益は減って税金も安くなります。
しかし、お金も同時に出ていきますよ。
最終的には社長のご判断にお任せしますが。。。」
というこんな会話を幾度となくやりました。
果たして、社長は高級車を買うのでしょうか。
大事なのは「お金」を残すこと
事業を継続していくことで大事だと考えているのは「お金」です。
どんなによいビジネスであっても、お金がなくなれば継続することができません。
よく言われているように、お金は会社の血液みたいなものです。
なくなれば、それは会社の死を意味します。
良かれと思って、節税対策に高級車を買って会社が傾いてしまったら、元も子もありませんよね。
お金が潤沢にあるのであれば、問題はありませんが。
税金を払っても70%程度は残る
私がアドバイスをさせていただく際には、そうした対策を行えば必ずお金の話も同時にやります。
手元にいくら残るかのシミュレーションをやるのです。
対策をせずにそのまま税金を払っても、税金は利益のせいぜい30%程度です。
つまり約70%は残ります。
逆に、全額節税対策に使ってしまえば、キャッシュはゼロになります。
ここの差が非常に大きいわけです。
節税対策という言葉が独り歩きをしていて、ついついやってしまいがちなのではないでしょうか。
ベンツを買っても本当の節税対策にはならない理由
ここまで読んでいただいて、もう理由はお分かりいただけたかと思います。
買ってはいけません、ということを決して言いたいわけではありませんので。
「その場限りの一時しのぎ的な」節税対策だけはやらないようお伝えしたいと思います。